ゴミ屋敷
私はゴミ屋敷の主です。
溜め込んだゴミのせいで、自分の家なのに住めなくなってしまっています。
私の家の前を通る人たちは、口々に文句を言ってきます。意見してきます。
偉そうなことを言うな、あんたが言える立場か、
そりゃ少しは散らかっているかもしれないが私はそれなりに管理している、
私のどこが悪いんだ、、、
私のどこが悪いんだ、、、
むしろ被害を受けているのは、こちらの方だと思っています。
風変わりな人が現れました。
一緒にこの家を片付けて、要らないものはすべて引き取ってくださるというのです。
けれども私は、せっかく振り分けたのものを、また奥へと仕舞い込みます。
私にしてみれば捨てるものなどひとつもないのです。
そりゃ見栄えは良くないかもしれないけど、壊れているかもしれないけど、
愛着もあるし、良いと言ってくれる人もいるし、
世紀のお宝だと世間が認める時が来るかもしれないし、
いつか何とかうまい具合に何かの役に立つかもしれないから、
とっておきたいのです。
とっておきたいのです。
これでは一向に片付きません。
右に左にゴミを動かしただけ。
拾い上げてはまた背後に押し込んだだけ。
やがて腐敗して崩壊するか、火事が起きるか。
やがて腐敗して崩壊するか、火事が起きるか。
私には判断がつかないのです。
どこから手を付けて良いのかもわかりません。
どこから手を付けて良いのかもわかりません。
だから一緒に手伝ってくれる人をお願いしました。
そうして助けてもらうからには、
隠しておきたい、触られたくない場所も全部、解放しなければなりません。
隠しておきたい、触られたくない場所も全部、解放しなければなりません。
私はもうゴミ屋敷などに住んでいたくない。
その一存で覚悟は決まるはずです。
そうできないのは、まだゴミ屋敷から出たくないからです。