聖霊への手紙 5

聖霊

 

大きなリュックを皆が背負ってる

 

周りの子は背負うものなど無いかのように軽々と飛び跳ねたりしている

 

私は何だか重くて不自由な感じがするんだけど、皆はそんな素振りもないのだから

私だってそうできるはず

 

 

あれ?おかしいな

あれ?おかしいな

あれ?どんどん置いて行かれている

 

一歩も動けなくなっていた

 

どうして?

ちゃんと気を付けて歩いたのに?

一生懸命かき集めたのに?

お手本のとおりにしたのに?

何故上手くいかないの?

 

 

私は途中から何かがおかしいということには気付いていて

荷物が重過ぎる気がすると言ってみるのだけれど

リュックを背負っていない人などいない、自分だけ重いというのは間違っていると

時に叱責されたりして

自分がおかしいのだと受け入れ

重さに悲鳴を上げる自分の心は甘ったれていると叩き

気のせいだ、根性がないからだと叱咤激励してきた

 

 

この期に及んで自分がストライキを起こし動こうとしない

何をしようにも心が身体が動いてくれない

 

 

 

 

他の皆もリュックは背負ってはいるのだけれど

ぱんぱんに詰まってなどなくて

時に誰かと交換したり

多くもらったりしても大丈夫な量なのだ

 

 

それに比べて私のリュックときたら

こどもが担う量ではなかった

出発の時点ですでに多くを持たされていた

 

 

中身は外からは見えない

だからそんなことは当たり前と人は言うのだった

 

 

 

これ 捨てちゃってもいいかな

この先役に立たないガラクタばかり

ちっとも大事じゃない 背負って歩く価値はない

 

全部降ろして 空っぽにして 

ここから歩きたい 

 

もう押し付けられても握らない

その場に放置して去ってもいいんだ

私は自分に必要だと自分で思うものだけを選択していい

 

 

私にもたらされるぴったりな贈りものだけを

受取り続ける旅路にしたい

 

 

誰かに遠慮するなら 今までと同じ旅

 

 

何を選んでも自由な世界をゆるされた神の子として

堂々と選んでいい