わたしの幸せのために

今日もわたしの幸せのために精一杯やりました。

ベリーダンスをもう一度始めることにしました。
身体の奥底から喜びが湧きあがってきます。
私の知らない私の中の一部が活き活きと蘇ってくるのを感じます。
目が合うとにっこりと微笑んでくださるお仲間と、
ジョークを飛ばし続ける愉快な先生と、今この時に溶け込みます。


歯医者では私の前の患者さんが、90歳代の現役の産婦人科の女医さんで、
同じく産婦人科医でいらっしゃる息子先生と連れだっておいででした。
お互いのキャラクターを知り尽くしており、
しかしながら自分の意思は通す、
それでも母が産み落としたかつての赤ちゃんといった余韻も感じられ、
その素敵な親子の姿にぎゅっと凝縮された映画を見せていただいたような気持ちになりました。
お顔の色艶もおきれいで、何より凛とした意思が内側から漂っておいでで、
このように生きることができるのですよというメッセージを受け取ったように感じました。
そして私の処置をしながら歯科医の先生は、
二十年前からのその女医さんの治療のことや経過を話し、私を励ましてくださいます。


その後友人と上賀茂神社あたりを散策し、ふらっと喫茶店に入りました。
オーダーを取りに来た店主に、一瞬怯みました。
中世ヨーロッパの魔女が現れたと胸が早鐘を打ちます。
幼少の頃貪るように読んでいた魔女の童話が思い起こされました。
何気なく見渡した壁の額には、箒にまたがって空を飛ぶ魔女が描かれており、
それは本当にその店主そっくりでした。
支払いを済ませる際交わした何気ない会話に、
何だか私を引き留めようとしているように感じられ、
三角屋根の小屋、ストーブ、黒猫というシチュエーションに、
こういう場面は覚えがある、知っているとノスタルジーを感じました。
薬草、タツノオトシゴの干物や、きのこといった魔法の薬の材料。
魔法や呪いの掛け方。空の飛び方。魔女集会での心得。
そういう話を延々と聞いていたと記憶しています。
ドイツかどこかの物語だったかもしれません。


その後友人と別れ、河原を歩いて帰ります。
冷たい風が塵を払い、散りばめられた金平糖のような星空を見せてくれます。


この街がますます好きになってどうしようもありません。
大好きだという私の気持ちが地に沁み込み、
大地がそれを吸い取ってさらにもっと返してくるような
そんな感覚に抱かれて帰路に着きました。


今日も幸せでした。