剥がれてゆく思いと私

エイッと引越してはきたものの、
下見ではわからなかった不具合を部屋のあちこちに発見。
管理会社はすぐに対応してくれたけれど、経年劣化に伴うどうしようもない 箇所の数々。
アレルギー症状も治まらず…

久しぶりに落ち込んでしまった。そしてそれはみるみる深くなる。
お馴染みの 自分への罵り。決して嬉しくはないのだけれど、とてもしっくりくる感覚。 
支離滅裂で、偏見に満ち、残酷で、絶望的。
毎日毎日繰り返し自分にぶつけ、狂信的に信じ込ませるもの。




きっかけを待っていただけ。
何かにケチをつけることで、自分を呪いたかっただけなのだ。

私は伴侶に恵まれなかった。
私には親と呼べるものはいなかった。
私には安らげる家庭はなかった。
私は誰からも愛されなかった。
私は、私は、私は…。

これらは誰かによってもたらされたと思っていた。
確かに子供の頃は本人にはどうしようもない事情に巻き込まれる。
何故にそのような環境下に生まれるのか全く今もってわからない。

だけどそれ以外の部分に関して、いやそれも含めて
多くのことは誰のせいでもないということだ。

そしてそれらのことと、私とには何の関係もない。
私は何かにならなくてもいいし、何者でもない。
何かをしなければならないこともなく、何も失ってはいない。
私はこれらの続きを生きてなどいない。


思いと私とは相容れないもの。
ピタリと張り付いていたものが剥がれてゆく。