人から信じられる自分を信じる

高校以来の友だちがいる。
生まれも、育ちも、性格も雲と泥のように違う。
容姿も、持物も、人間関係もすべてが羨ましいとすら思わないほど別世界の人。
どうして彼女が私の友だちでいてくれるのか不思議だった。


あの頃の私は尖っていて、破れかぶれで、身勝手だった。
この世など今すぐ失くなってしまえと毒づいていた。
自分のどこにも尊敬する部分など見当たらない。
フラストレーションをどうしようもなく全身にたぎらせていた。


卒業後、彼女は見知らぬ地で懸命の努力をし、立派な資格を得て、
困難を押しやり、心を全開にして社会に貢献している。
それと同じ年月、私がしてきたことと言えば、、、。
高校の頃と何も変わっていない、という事実。
何十年と経ったのにまったく同じ地点にいる現実。


それでも
彼女は私を認め、見方して、励ます。
彼女の真心の数々をあの頃も、今も、
私はきちんと受け止められてなどいないのに。


この私では無縁としか思えないような優しい人が、聡明な人が、美しい人が
私の前に現れて微笑みながら手を差し出してくださる。
わたし、何をしたの?
前世でどれだけの善いことをしたら、このような人に巡り合えるの?


この友らが信じてくれている“私”を現したい。
逆転ホームランを放ちたい。
うんと深く潜った底から、浮き上がりたい。
遥か宇宙の果てから、巻き返したい。
私の情熱をぶつけさせてください。