三十年前の奇人からの贈物

私は幼い頃から多数とは違う視点でものを見ていたようで、
それを発表すると必ず間違っているとされ、クラスメイト達に笑われました。

私は[おかしいんだ]。
痛々しいくさびが自分の心の中に打ち込まれていきました。
親、兄弟。友人、先生、、、
幼い私を取り巻く登場人物全員を敵に回すのは死を意味すると思われたので、
生きていく為に人と合わせよう、まともな答えを言おうと頑張りました。
心の中のそれとは違うことを言っている声については、聞こえないふりをしました。

今思い返してみると、私を評価してくれた人がたった一人いました。
中学校の美術の先生です。風貌がとても変わっており、キチガイとか変人とか呼ばれていました。
この先生が私の作品を目に留めて、とても熱く、たくさんの言葉を用いて褒めてくださいました。
放課後の美術室を使って、備品を自由に使って仕上げるようにとおっしゃって下さいました。
ですが、私はその申し出を受けることなく、適当に作って終りとしました。

何故そうしたのか。その時の気持ちをはっきりと覚えています。
この私が、素晴らしいものを、生み出してしまう
ことを恐れたのでした。

そして、
変人と見做して黙殺していた人物が実は、
機微に富み、自由をもたらす解放者であることを知ってしまう
この先生と心を通わせることによってもの凄い世界を知ってしまう
ことを恐れたのでした。


昨日のダンスセラピーでの私の瞑想。
誰とも仲良くしなくて良い、誰とも争わなくて良いというライオンのイメージによって
突き抜けた思いが、遡って私をこの地点に連れてきました。

あのとき、先生のスピリットが伝えようとしてくださっていたこと、
三十年の時を経て、受取らせていただきます。