忘れたフリのできない怨みがあります

絶叫するように祈った
助けてくださいと
ここから連れだしてくださいと
声が枯れるほど泣いて頼んだ

けれども毎晩毎晩その地獄は執拗に繰り返された
一年、三年、十五年…
何も、ひとつも、変わらなかった

やがて少女は確信していく
神に見捨てられている
神とは恵まれた人たちのもの
生まれる時から約束されている人とそうでない人がいる

父親が荒れ狂う様を目の当たりにしている長い長い時間は
こじ開けられた口に杭を差し込み体を突き刺される拷問であり
身動きできない身体に一滴一滴落とされる毒物だった


悔しさとやるせなさで涙をいっぱいに溜めている少女を
今の私は抱きしめることしかできません
彼女を前に何の言葉も掛けることができません


こういう背景を持ったまま
臨むコースの教えとは
何と無慈悲で無配慮に感じることでしょう